30年後まで笑い続けるSIerのブログ

30年間笑い続けることを目標とした物語

残業規制で企業の真価が問われる

私はSEとして、大企業の残業規制に警鐘を鳴らしたい。

残業規制は、ワークライフバランスをもたらすとともに、生産性向上ももたらしてくれることであろう。しかし、それは一部の業種であると考える。

とりわけSE(特に金融機関)は、ワークライフバランスと生産性向上が必ずしも売上の向上に直結しない。特に金融機関のSEは、開発工程の"承認作業"が多く、そのプロセスが省けないため、まず何を省くかというとレビューやテストといった品質向上に向けた作業である。その結果、品質が下がり、承認がもらえず、リリースができない。テストする、レビューするの負のスパイラルに陥ってる企業も少なくないはずだ。

昨今、電通のいたたまれない事件があったため、人事部は神経をとがらせ、さらに厳しくなっている印象を受ける。

ただ、品質の劣化、生産量の低下をまねていることは事実であり、今後それが表面化してくるもの時間の問題である。また、残業規制が必要な若い世代は、号令のもと時間になったら帰宅する。これが責任感の喪失を招く。さらに若い世代が残した仕事を年配者が引き継ぐことにより、最近は上席者の病欠や精神的な病が増えたようにも見える。

経営である以上、現場の意見にすべて耳を傾けるわけにはいかないが、そうであれば別の手段を考えるべきである。

今、日本は変化している最中である。このまま負け組になるか、勝機を捉えるか、企業の真価が問われている。